蘭のドライフラワーを作るということ
杉田エリ

蘭は水がなくても咲き続けるお花。それは、お花自体が「水袋」のようになっていて、水分を外に出しづらい組織になっています。だから、蘭のお花は長持ちするのです。

「花ゆうぎ」で、ふだん作っている「自然色ドライフラワー」は、常温で生花をシリカゲルの中に埋め乾燥させています。しかし、蘭の花は、上記のように水分の多い花であるため、それだけではドライフラワーになりません。

そこで、水分を強制的に抜くために加熱処理をします。ふだんどおりシリカゲルの中に花を入れ、電子レンジで加熱します。これは、一見簡単なように思えますが、実はとても大変な作業です。同じ蘭でも、種類によって、すべて最適な温度が違う。胡蝶蘭・カトレア・デンファレ・・・すべて違うのです。

また、作業する日の気温・時間によっても違うので、うまく仕上げるのは至難の業。うまく行かないと、焦げたり、半透明になったり・・・。失敗する事の多い大変な作業です。そうですねえ、「陶器」にたとえると「うわぐすりをかける」・・・といったプロセスでしょうか。一種、陶芸にも似た大変な作業です。

こうして奇跡的に(?)成功したお花を集めて作成した、「らん展」の作品をどうぞご覧ください。

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